[71]漂泊の旅人
ねむねむ悟郎の続き <1階の悟郎の部屋にて>
ナナ んんも〜〜〜!!!まだ起きないの!!? ルル でも、おそばやさんのごしゅじんたま、あたまがまぶしかったお〜。 モモ ルルちゃん…。 ナナ こうなったら「妙技」だ! ルル ねぇナナねぇたん、みょうぎってなんらお〜? ナナ こうゆうことだよ。
ナナ 御 主 人 様 〜 ! ! ! 早 く 起 き て 〜 ! ! ! ! !
ナナは悟郎の耳元で、新幹線が260km/hで通過する時と同じぐらいのうるささで叫んだ!
悟郎 うぁぁぁぁぁ(欠伸)、ミカはいつも声がうるさいなぁ…。Zzz………
モモ まだ起きません…。 ナナ んんんんんんんも〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
その時…
はるか 睦さん、朝からうるさいですよ!静かにして下さい!
はるかが寝ぼけまなこに悟郎の家に押しかけてきた。
はるか ここはアパートなんですから静かにして下さい!私、今まで寝てたのに起きちゃいましたよ! ナナ ご、ごめんなさ〜い…。 はるか これから気を付けて下さいね!っはぁぁぁ………
はるかは欠伸をしながら家を出て行った。
モモ 管理人さんを起こしちゃいました…。 ルル でもごしゅじんたますごいお〜!いまのナナねぇたんのこえでかんりにんたんはおきたのに、ごしゅじんたまはそばにいたのにおきなかったお〜。 ナナ ルル!!!関心してる場合じゃないよ!!! ルル (驚) ナナ こうなったら「最終手段」だ! ルル さいしゅうしゅだん? モモ 1番最後の方法ってことですよ。 ナナ ちょっと待っててね〜!
青空の麓の習字教室 <アパートの前の庭にて> ナナは家を出て庭に出た。庭ではユキとアユミが芝生に薄い畳を敷いて習字をやっている。 ユキ いいですかアユミさん、習字で大切なことは、習字に対するココロです。周りを気にせず、ただただ、字を書くことだけに全神経を集中させるのです!そうでなければ、ホンモノの良い字は生まれてきません! アユミ はい、ユキさん。 ナナ ユキ姉さん! ユキ [ナナに気付いてない]では、まづ、「郷愁」の「郷」から書き始めてみましょう。ゆっくりと、丁寧に。 アユミ はい、書いてみますわ。 ナナ アユミ姉さん!! ユキ [まだ気付いてない]手元をよぉぉく見て、一筆一筆、慎重に。 アユミ はい。 ナナ ユキ姉さん!!!アユミ姉さん!!! ユキ [未だ気付かず]あらあらアユミさん、もうちょっと、手元をよぉぉく見たほうが…。 アユミ え?よく見てますが………あ!
アユミは今書いている半紙を上げてみた。 下敷きが敷かれてない…。その上、アユミが字を書くのがゆっくり過ぎて、墨が畳にモロに染み入っている!
アユミ あああああ!さ、最初からこうする御積りでしたのよ〜! ユキ でも、下敷きが無いと……… アユミ たまには下敷き無しで、直接畳の上で書こうと… ユキ では、この墨の染みた畳はどうする御積りで…? アユミ あ………、まぁまぁ細かい事は気にしない事ですわよ、[高笑い]オホホホホ!!!オホホホホ!!! ユキ まぁまぁ、細かい事ではありませんわよ、[やはり高笑い、しかも口を手に近づけて]オホホホホ!オホホホホ! アユミ Take It Easyですわよ、オホ、オホホホホ!!! ユ&ア オホ、オホホホホ、オホホホホホホホホホ!!! ナナ 姉 さ ん っ て ば ぁ ! ! ! ユキ [やっと気付いて]オホって、あらナナさん、どうしましたか? アユミ [まだノッている]あらあら、ナナさんも、御習字を習いに来ましたの? ナナ 違うよ!ナナに墨を貸してくれる? ユキ あら、いいですわよ。でも、何に使うのかしら? ナナ [左手の人差し指を振って]ひ・み・つ・だ・よ!お母さん! ユキ [赤くなる]おっ、お母さんって…、 アユミ [まだノッている]いやですわねぇ〜、[ユキの肩を叩いて]ユキさんがその歳だからですわよ〜。 ユキ こ、こら!アユミさん!!!私そんなに老けてませんよ〜!!! ナナ [墨汁を取って]それじゃぁこれありがとうね!お母さん!!! ユキ ちょ、ちょっとぉ〜、「お母さん」はやめてぇ〜!!! アユミ [まだまだノッている]では私は「母上」とも呼ばせてもらいましょうかぁ? ユキ やめて下さ〜い!!!
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2003年04月13日 (日) 00時09分
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